「英語長文を読んでいると、いつも時間が足りなくなる」「最後まで読み切れず、残りの問題を勘で答えてしまう」
入試英語の長文読解で、こんな悩みを抱えていませんか?
長文問題は、単語や文法の知識だけでなく、限られた時間で英文を読み、必要な情報を見つける力も求められます。時間が足りない原因は、英語力だけではなく、読み方や問題の解き方にあることも少なくありません。
この記事では、英語長文を速く正確に読むコツから、時間配分の考え方、読解力を伸ばす勉強法まで、入試本番で役立つポイントをわかりやすく解説します。
入試英語の長文読解で点数を伸ばす3つのコツ
入試の長文読解で点数を伸ばすには、英文を最初から最後まで同じペースで読むのではなく、文章の構成を意識しながら、必要な情報を効率よく読み取ることが大切です。
ここでは、長文読解のスピードと正確さを上げるために、すぐ実践できる3つのコツを紹介します。
1. 英語長文は「段落ごとの要点」をつかんで読む
英語の説明文や論説文では、段落ごとに中心となるテーマや主張が示されることが多くあります。
特に注目したいのが、段落の最初や前半に出てくるトピックセンテンス(段落の中心となる文)です。
まずは「この段落では何について説明しているのか」をつかみ、その後の具体例やデータを読むようにすると、文章全体の流れを追いやすくなります。
すべての英文を同じ重要度で読もうとすると時間がかかってしまいます。
段落ごとの要点を押さえ、重要な部分に意識を向けながら読むことを心がけましょう。
2. 返り読みをやめて、英語の語順のまま読む
長文読解に時間がかかる原因の一つが、何度も前の部分に戻って読み直す「返り読み」です。
英文を日本語の語順に並べ替えながら理解しようとすると、一つの文を読むのに時間がかかります。長文になるほど、この積み重ねが大きな時間ロスにつながります。
そこで意識したいのが、英語の語順のまま前から意味を取る読み方です。
必要に応じて英文を意味のまとまり(チャンク)ごとに区切る「スラッシュリーディング」を使うのも効果的です。
たとえば、
のように区切り、前から順番に内容を理解していきます。
最初は慣れないかもしれませんが、練習を重ねることで、英文を日本語に訳し直さなくても内容を追いやすくなります。
長文を速く読むためにも、「前に戻らず、前から読む」習慣を身につけましょう。
3. 設問を先に確認して、必要な情報を探しながら読む
長文読解では、本文を読む前に設問をざっと確認しておくのも効果的です。
先に設問を見ておけば、本文を読むときに「何に注目すればいいのか」が分かります。
たとえば、理由を問う問題なのか、人物について聞かれているのか、具体的な数字や出来事を探す問題なのかによって、読むポイントも変わってきます。
また、設問や選択肢に出てくる人名・数字・固有名詞・キーワードなどを頭に入れておくと、本文の中から必要な情報を見つけやすくなります。こうした読み方を「スキャニング(探し読み)」といいます。
ただし、設問に関係する部分だけを探して本文を読めばよい、というわけではありません。
まずは段落ごとの大まかな内容をつかみながら読み、設問に関係する情報が出てきたら、そこを丁寧に確認するのがポイントです。
「何となく読む」のではなく、「何を探しながら読むか」を意識するだけでも、読み直しの回数を減らせます。
英語長文で時間が足りない・読めない原因
長文を速く読むコツを知っていても、実際に問題を解くと時間が足りなくなることがあります。
その場合、単純に読むスピードが遅いのではなく、普段の読み方や勉強法に原因があるのかもしれません。
ここでは、英語長文を読むのに時間がかかってしまう代表的な原因を紹介します。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
1. 英文をすべて日本語に訳そうとしている
長文読解に時間がかかる人に多いのが、英文を一文ずつ日本語に訳しながら読むことです。
もちろん、英文の構造を確認したり、正確に和訳したりする勉強は必要です。
ただ、入試本番で長文のすべてをきれいな日本語に置き換えようとすると、それだけで多くの時間を使ってしまいます。
長文問題で大切なのは、英文を完璧な日本語に訳すことではありません。「何が書かれているのか」を正確につかむことです。
分からない単語が一つ出てきても、前後の文から意味を推測できることがあります。細かい表現にこだわりすぎず、文章全体の流れを追うことも意識しましょう。
普段の勉強では丁寧に和訳する時間を作り、問題演習では英語を英語の語順のまま理解する練習も取り入れると、長文を読むスピードが上がりやすくなります。
2. 文法の勉強に偏って、長文を読む量が少ない
「文法問題なら解けるのに、長文になると時間がかかる」という人は、まとまった英文を読む練習が足りていない可能性があります。
SVOC(主語+動詞+目的語+目的語)などの文構造を分析する勉強は、英文を正確に理解するために役立ちます。しかし、一文ずつ丁寧に読む練習だけでは、入試のような長い英文を読み続ける力は身につきにくいものです。
長文を読むには、単語や文法の知識に加えて、ある程度の長さの英文を集中して読み続けることに慣れることも大切です。
最初から難しい長文を大量に読む必要はありません。自分のレベルに合った英文から始めて、少しずつ読む量を増やしていきましょう。
「単語・文法の勉強」と「長文を読む練習」を分けて考えず、普段から英文に触れる時間を確保することが、読解スピードの向上につながります。
3. 長文のテーマに関する語彙や背景知識が足りない
英語長文を読むスピードは、単語や文法の知識だけで決まるわけではありません。
その文章が扱っているテーマをどれくらい知っているかも、理解のしやすさに影響します。
たとえば、環境問題やAI、テクノロジー、教育、歴史、文化など、入試ではさまざまなテーマの英文が出題されます。
こうしたテーマについて普段からある程度の知識があれば、英文に知らない表現が出てきても、前後の内容から意味を推測しやすくなります。反対に、テーマそのものになじみがないと、一つ一つの英文を理解するのに時間がかかることがあります。
そのため、単語帳で英単語を覚えるだけでなく、ニュースや入試長文などを通して、さまざまなテーマに触れておくことも大切です。
「英語の勉強なのに、なぜ背景知識が必要なの?」と思うかもしれません。しかし、知っているテーマが増えるほど英文の内容を予測しやすくなり、結果として長文も読みやすくなります。
入試本番までに英語長文読解力を伸ばす学習ステップ
ここまで紹介した読み方を身につけても、単語や文法で何度も止まってしまえば、長文を速く読むことはできません。
入試までに長文読解力を伸ばすには、基礎を固めながら、少しずつ「英文を読むこと」に慣れていくことが大切です。
ここからは、入試本番までに取り組みたい勉強を、具体的なステップに分けて紹介します。
ステップ1:重要な単語・構文を見た瞬間に理解できるようにする
長文を速く読むためには、単語や構文が出てくるたびに「これはどういう意味だっけ?」と考えている状態から抜け出す必要があります。
目標は、重要な単語や構文を見たときに、数秒考えなくても意味が浮かぶ状態です。
単語帳で日本語訳を覚えるだけでなく、実際の英文の中でどのように使われているのかも確認しておきましょう。
たとえば単語を覚えるときも、「英単語=日本語訳」として暗記するだけでなく、例文と一緒に覚えておくと、長文の中でその単語を見たときにも意味を理解しやすくなります。
また、長文で何度も出てくる単語や、自分が繰り返し間違える構文は、そのままにせず復習しておきましょう。
大切なのは、「知っている単語」を増やすだけでなく、「見た瞬間に分かる単語」を増やすことです。
単語や構文の意味を思い出す時間が短くなれば、その分だけ英文の内容を理解することに集中できます。まずは入試でよく使われる基本的な語彙や構文から、確実に身につけていきましょう。
ステップ2:音読・シャドーイングで英文を読むスピードを上げる
単語や構文の基礎が身についたら、次は英文を前から理解する練習を取り入れましょう。
おすすめなのが、英文の音声を使った「音読」と「シャドーイング」です。
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、少し遅れて同じように発音していく練習方法です。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると英語の語順やリズムを意識しながら英文を処理できるようになります。
音読をするときも、英文を一文ずつ日本語に訳すのではなく、意味を確認しながら前から読み上げることを意識しましょう。
同じ英文を繰り返し音読することで、単語や構文を見てから意味を理解するまでの時間も短くなっていきます。
毎日10分程度でもよいので、学校の教科書やこれまでに解いた長文など、内容を理解している英文を使って続けてみてください。
ステップ3:多読で長い英文を読むことに慣れる
単語や構文をスムーズに理解できるようになったら、次はまとまった長さの英文を読む練習を増やしていきます。
入試本番では、短い英文を一つずつ読むのではなく、ある程度の長さがある文章を集中して読み続ける必要があります。そのため、普段から長めの英文を読むことに慣れておくことが大切です。
最初から難しい文章を選ぶ必要はありません。自分のレベルに合った長文を使い、文章全体の内容や段落ごとの要点を意識しながら読み進めましょう。
また、環境問題、科学、教育、文化、テクノロジーなど、できるだけ幅広いテーマの英文に触れることもおすすめです。
さまざまなテーマを読む経験が増えると、入試で初めて見る内容でも、文章の展開を予測しながら読みやすくなります。
大切なのは、一度に大量の英文を読むことではありません。毎日少しずつでも英文を読む時間を作り、「長い英文を読むのが当たり前」という状態にしておくことです。
音読や多読を継続しながら、読む量と読むスピードを少しずつ上げていきましょう。
本質的な英語長文読解力と論理的思考力を養うには
入試の英語長文で安定して得点するには、単語や文法を覚えるだけでなく、文章の内容を理解し、論理の流れを追う力も必要です。
こうした力は、入試問題だけを使った練習だけでなく、さまざまなテーマの英文を読み、聞き、自分の言葉で考える経験を重ねることでも身につけられます。
多読・多聴とディスカッションで英語を使って考える
J PREPでは、試験対策だけに偏らず、教養や学術的なテーマを扱いながら英語を学ぶカリキュラムを取り入れています。
その一つが、教科の内容と言語学習を組み合わせるCLIL(内容言語統合型学習)です。
さまざまな英文を読んだり聞いたりするだけでなく、学んだ内容について英語で考えたり、話したり、書いたりすることで、英文の内容を理解して自分の考えにつなげる力を養います。
こうした学習を続けることで、入試長文を読むときにも、単語を一つずつ訳すのではなく、筆者の主張や理由、具体例などを意識して文章全体を捉える力につながります。
難関大学の入試に向けて英文解釈と過去問演習に取り組む
小学5年生~高校3年生対象の「J PREP 斉藤塾」では、学年や英語力に応じたカリキュラムで学習を進めます。
高校生の学習では、英文の構造を正確に理解するための英文解釈に加えて、大学入試の長文問題を使った演習にも取り組みます。
長文を正確に読む「精読」と、限られた時間の中で問題を解く「速読」の両方を練習することで、入試本番に必要な読解力を身につけていきます。
監修:斉藤 淳(さいとう じゅん)
1969年山形県酒田市生まれ。
上智大学外国語学部英語学科卒業(1993年)、イェール大学大学院政治学専攻博士課程修了、Ph.D.取得(2006年)。ウェズリアン大学客員助教授(2006-07年)、フランクリン&マーシャル大学助教授(2007-08年)を経てイェール大学助教授(2008-12年)、高麗大学客員教授(2009-11年)を歴任、2012年4月に帰国、英語塾代表として起業。
2014年に発売された『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』と『10歳から身につく問い、考え、表現する力』がベストセラーとなる。2017年に『世界最高の子ども英語』、2023年に『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』、2024年に『斉藤先生! 小学生からの英語教育、親は一体何をすればよいですか?』を刊行。J PREPでは全体の統括に加え、教材開発、授業、進路指導を担当。
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