R.O.さん2025年
出身高校渋谷教育学園渋谷高等学校
進学先University of Cambridge / 慶應義塾大学
実践的な英語力と
プログラミングの情熱で切り拓く未来
―― イギリスの名門ケンブリッジ大学へ
Oさんは小学生のときに、「読書支援アプリ」を開発されたそうですね。
はい。小5からプログラミングに興味を持ちはじめ、曾祖父のために文字を読みやすくするアプリを作りたいと思い、開発しました。開発後、未踏ジュニア生の中で、特に優れたプロジェクトに渡される、スーパークリエーターに選ばれ、孫正義育英財団第2期生(現アラムナイ)になることができました。
J PREP には中学1年で入塾し、ES150コースからのスタートですね。
はい。それまでは、小学校の授業程度しか英語は学んでおらず、英検® の受験経験もありませんでした。中2でLevel 2(ES250)、中3でLevel 3(ES350)と順調にレベルアップできたと思います。単語を覚えるのはあまり得意ではありませんでしたが、英語でコミュニケーションを取ることは好きでした。
海外に興味を持ったきっかけはありますか。
中1の夏に、孫財団の支援を受けて、スタンフォード大学で開かれたSTEAM キャンプに参加したことです。その後、J PREP で留学のアドバイスや入学試験の対策法などを教えていただいたことで、有名なボーディング・スクールに合格し、中3の途中で退塾して1年間のイギリス留学を経験しました。
留学時の英語力については、理系の学校だったので専門用語につまずくことはありましたが、J PREP でスピーキングの練習をたくさんしていたこともあり、英語で話すこと自体に抵抗はなかったです。
イギリスの良質な教育では、正解がはっきりしないことについて議論する過程を大切にしている印象があります。
日本では答えが想定されていて説明文の穴埋めをしていく形式が多いと思いますが、イギリスは記述式なので、自身の知識を掘り下げて言葉に置き換えていくような感じでした。基礎をどこまで深く理解し、幅広く応用する準備ができているかを多角的に問われるため、難しさも感じました。
1年間のイギリス留学を経て、高1の途中で帰国しました。
帰国後、当時、世の中に出る前だったChatGPT のベータ版を用いてアプリの開発を行ったと聞いています。
はい。学校の先輩とニュースでOpenAI のことを知りました。使用許可をいただき、AI を用いてネイティブ・スピーカーと同じレベルで英会話ができるサービスを開発しました。
帰国後、J PREP にも復塾し、本格的に留学準備を始めましたね。
PREP Scholars のTOEFL® 対策コースからSA690 へと進みましたが、海外大学の出願では、特に最終段階が大変でした。毎週、先生に相談しながらエッセイを書くことができ、すごくありがたかったです。クラスメートとも互いのエッセイを読み合って意見交換するなど、切磋琢磨しながら高め合うことができました。柳井奨学金に合格できたのも、これまで積み重ねてきた努力と成果の賜物だと感じています。
今はケンブリッジ大学でどのようなことを学んでいますか?
コンピューターサイエンスを専攻しています。イギリスの大学はかなり専門にフォーカスしていて、データベース、アルゴリズム、セキュリティなど、その分野に関連する分野だけを徹底的に学んでいく形です。一般教養はほとんどなく、最初から専門に集中できる仕組みは、やりたい分野がはっきりしていた自分にはすごく合っていました。時間を集中できるので、必要な知識を効率的に吸収できます。
ケンブリッジは理論を重視する印象がありますが、実際はいかがですか?
本当に理論中心です。アメリカでは実践的なアプローチが多いですが、イギリスでは「まず理論から」が基本です。最初は「これ本当に必要?」と思う内容もありましたが、後からその知識が意外な場面で役立つことが多いんです。基礎を固めることで、応用に迷わない強さが身につくと思います。
学生生活の雰囲気は、まさにハリー・ポッターの世界です。周りの学生もみんな本当に優秀で、一人一人が自分の分野に熱中しており、自然と刺激を受けて「自分もがんばろう」と思える環境です。
中学から英語を真剣に学び始めた中で、海外生活で特に役に立った学習法はありますか。
英語は楽しく学べる方が絶対いいと感じていたので、単語や文法の暗記も必要ですが、実際に “ 使える英語 ”、特にスピーキングとリスニングを重視して学べたのは本当に助かりました。海外の学生と比べるとギャップを感じることもありましたが、「自分で話そう」という意欲があるだけで、思った以上に伝わることを実感しました。
J PREP での学習で特に印象に残っていることはありますか?
「フレーズで覚える」という小テストがとても役に立ちました。単語を単体で覚えるのではなく、フレーズとして覚えることで、会話の中で自然に出てくるんです。音と文字を結びつける意識も大切で、「聴く」「話す」を中心に学べたことは、コミュニケーション力の向上につながりました。
単語を前後の文脈ごとに覚える、ということですね。
そうです。コンテクストを意識して、「どんな場面でこの言葉を使うか」を理解しながら覚えると、会話の中で自然に出てきます。
それに、音と文字を一緒に覚えるのも大切です。意味がわかっても発音できなければ伝わらないので、「聴く」「話す」を軸にしたJ PREP の学びは本当に助けになりました。
日本でも学校の勉強とプログラミングを両立していましたね。
小中高時代は学校の勉強と並行してプログラミングにも取り組んでいました。「やらなきゃ」ではなく「やりたいからやる」。この姿勢は今も変わりません。自分が楽しめることに取り組むと、自然と情熱が生まれ、それが大学入試や今の学びにもつながると思います。興味のあることがまだ見つかっていない人は、まずいろんなことに挑戦してみるのがいいと思います。
将来の夢を教えてください。
将来は、人に感動を届ける仕事がしたいです。テーマパークのように世界観をつくることに興味があって、エンジニアリングの知識を生かして、日常では体験できないような新しい体験を提供できたらと思っています。
最後に、後輩たちへメッセージをお願いします。
勉強でも挑戦でも、つらいことは必ずあります。でも、そのときこそ「まずやってみる」ことが大事です。興味を持ったら一歩踏み出す。その軽やかなフットワークを大切にして、新しい可能性を広げてほしいと思います。
ありがとうございます。Oさんのこれからの活躍を期待しています。
【School Data】University of Cambridge
1209年に設立されたイギリスの名門大学で、世界最古の大学の一つ。多くのカレッジで構成され、それぞれが独自の施設と教育プログラムを提供している。学問の分野は、科学、文学、芸術、工学など多岐にわたり、ノーベル賞受賞者や国家元首をはじめとする数多くの著名人を輩出している。現在も、教育と研究の両面で世界トップクラスの水準を維持し続けている。




