
TOEFL iBT®テストは、世界中の大学や機関で高く評価される英語能力測定試験であり、グローバルな舞台での活躍を目指す多くの学習者にとって重要なステップとなります。
2025年に入り、TOEFL iBT®テストは、受験者がよりアクセスしやすく、効果的に英語力を証明できるよう、さまざまな面で進化を遂げています。
ここでは、TOEFL iBT®の2025年からの主な変更点、基本的な受験方法、そして試験を通じてどのような英語力が問われるのかについて解説します。
2025年からのTOEFL iBT®の主な変更点
TOEFL iBT®は、グローバルな学習者のニーズに対応するため、2025年にいくつかの重要な変更が行われています。これらの変更点を把握しておくことは、今後の学習計画や受験準備において非常に重要です。
受験料の改定
2025年4月1日より、TOEFL iBT®の受験料が従来のUS$245からUS$195へと改定され、US$50の減額が実施されました。
この変更は、「TOEFL®を通じて一人でも多くの受験者の未来が広がり、夢を実現できるよう応援する」という意図で実施されており、実際にこの大幅な値下げは受験を検討している人々にとって大きな経済的負担の軽減となるでしょう。
複数回受験割引の終了
かつて提供されていた、2回分の受験を同時に申し込むと1回分の受験料が30%オフになるという割引制度は、2025年4月半ばをもって終了しました。
今後は、個別の受験申し込みが基本となるため、受験計画を立てる際にはこの変更を考慮に入れる必要があります。
会場受験の機会増加
2025年の夏期限定で、TOEFL iBT®の会場受験がほぼ毎日実施されるようになりました。
特に人気が高い御茶ノ水ソラシティ試験会場では、新たに114回の試験が追加されます。この機会を有効活用し、早めに受験計画を立てることが推奨されています。
また、2025年4月から9月期までのTOEFL iBT®会場別開催日情報も随時更新されており、自身の居住地に近い会場や都合の良い開催日を公式サイトで確認し、学習計画に役立てることが可能です。
「TOEFL iBT® Home Edition」の再設計
2025年5月30日から、自宅で受験できるTOEFL iBT® Home Edition が再設計されました。
ETS®(TOEFL®テスト 日本事務局)によってトレーニングを受けた社内試験監督が、受験中を通じて一貫したサポートを提供するようになります。これにより、自宅受験における不安が軽減されるでしょう。
また、登録から試験当日までの手続きが簡素化、AIを活用した本人確認システム「ENTRUST」により受験者の身元確認を正確に行うなどの改善により、自宅からTOEFL iBT®を受験する際の事務的な負担が軽減できることが期待されます。
2026年1月導入「アダプティブ方式」
2026年1月からは、TOEFL iBT®のリーディングおよびリスニングセクションに、アダプティブ方式が導入されます。
アダプティブ方式とは、受験者のパフォーマンスに応じてテストの難易度がリアルタイムで調整される形式です。これにより、より個別最適化されたテストが提供され、受験者の正確な英語力を効率的に測定できるようになります。
従来の出題内容に加え、現代的で公平性を重視したトピックが取り入れられます。例えば、ギリシャ神話のようなニッチなトピックは、現代のグローバルな学生が自身のバックグラウンドに関わらず関連性を見出せるような、より実社会に即したアカデミックな内容にアップデートされるとのことです。
また、文化的バイアスを減らすため、受験者にとって関連性が高くアクセスしやすい内容が厳選して使用するという変更点により、リーディング対策やリスニング対策の学習アプローチにも影響を与える可能性があります。
2026年1月導入 国際基準「CEFR」対応
2026年1月から、TOEFL iBT®のスコア表示も進化します。
従来の0〜120スケールに加え、直感的に理解しやすい「1〜6」の新しいスコアスケールが導入されます。この新しいスコアは、世界で最も広く認知されている英語能力の基準である「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」に直接対応しており、スコアの解釈がより簡単で一貫性のあるものになります。
また、スコアレポートには、1〜6の新しいバンドスケールと、従来の0〜120スケールの両方が表示されます。これにより、受験者はTOEFL iBT®スコアをこれまでの学習成果やCEFRなどの既知の指標とより容易に結びつけることができます。
そして受験者は72時間以内にスコアを受け取れるようになり、出願期限に自信を持って対応できる環境が提供されます。
この変更は、TOEFL®スコアの国際的な互換性を高め、留学要件や出願対策において、自身の英語力をより明確に伝える手助けとなるでしょう。
TOEFL iBT®の受験方法について
TOEFL iBT®テストの受験は、主に全国の指定された試験会場で行われます。
一方で、教育機関や団体向けの特別なプログラムも用意されており、多様な学習者のニーズに対応しています。
会場での受験
TOEFL iBT®テストは、日本全国に設置されているTOEFL iBT®会場で実施されています。
受験を希望する方は、TOEFL®テスト日本事務局のウェブサイトで、最新の会場別開催日情報を確認し、自身の学習スケジュールや都合に合わせて受験日を決定することが重要です。
特に2025年夏には会場受験の機会が大幅に増加しているため、この機会を逃さずに計画を立てることが推奨されます。
団体向けプログラム
TOEFL®テストには、「TOEFL ITP®テスト」という、大学、専門学校、語学学校、行政機関などの教育機関や行政機関が利用する団体向けのプログラムも存在します。
このプログラムは、全国500以上の団体で約22万人以上が利用しており、多くの教育現場で英語能力の測定やクラス分け、学習成果の評価に活用されています。TOEFL ITP®テストは、TOEFL iBT®テストとは異なる目的で実施されるものですが、TOEFL ITP®の受験経験をTOEFL iBT®のスコアアップに繋げるためのセミナーも開催されており、団体向けプログラムの経験を個人のTOEFL iBT®スコア向上に活かす道も提供されています。
TOEFL iBT® Home Edition
インターネット環境とPCがあれば、自宅からTOEFL iBT®を受験できる「Home Edition」は、自宅の慣れた環境でリラックスして受験したい方や、試験会場までの移動時間や費用を節約したい方に適しています。週に5日、24時間体制で実施されているため、テスト日程も柔軟に選択でき、会場の空き状況に左右されにくいのが大きな特徴です。
ただし、自宅受験では、静かな個室の確保や、自身でPC、カメラ、マイクなどの機材準備と設定を行う必要もあり、安定したインターネット環境の準備が必要です。また、オンラインでリモート監視する試験監督官とのやり取りは英語で行う必要があります。
学習支援ツールとセミナー
受験をサポートするための様々なETSプロダクトも提供されています。
また、受験者向けの無料セミナーも定期的に開催されており、スコアアップを目的とし、学習を継続するための具体的なアドバイスや戦略が提供されています。
受験方法や学習アプローチは、個人の英語学習の状況や目標によって最適な選択が異なります。
自身の状況に合わせて、会場受験の計画を立てるか、あるいは団体向けプログラムからのステップアップを検討することが重要です。
TOEFL iBT®で問われる能力
TOEFL iBT®テストは、アメリカをはじめとする海外の大学留学を目指す方や、世界中で通用するアカデミックな本物の英語力を身につけたいと考えるすべての方にとって、重要な能力を測定します。
このテストは、単なる英語知識の有無だけでなく、実際の英語使用場面、特に学術的な環境で必要とされる総合的な能力を評価することに重点を置いて多角的に評価するため、大きく分けて四つの能力が問われます。
語彙力
TOEFL iBT®の学習において、語彙力は基盤となる重要な要素の一つです。実際のテストは、学術的な文脈で使われる高度な単語の理解を求める傾向にあります。
過去のTOEFL iBT®テストや関連教材に登場した英単語のリストを分析し、出題頻度や重要度が高い約2,000語とその派生語約1,800語を厳選した公式の単語集も存在しています。このような教材は、単語の本来の意味やニュアンスを英語で確認でき、理解を助ける日本語訳も併記されているため、効率的な語彙力強化に役立つ可能性があります。
世界中で通用するアカデミックな英語力を身につける上で、語彙力の充実は不可欠と言えるでしょう。
リスニング能力
TOEFL iBT®のリスニングセクションでは、講義や会話といった様々な形式の音声を聞き取り、内容を正確に理解するリスニング能力が重視されます。これは、大学の授業や日常生活における英語でのコミュニケーションを想定しているためです。
リスニングスキルに特化したオンラインセミナーも開催されていることからも、この能力がTOEFL iBT®の重要な評価ポイントであることがうかがえます。実際のテストでナレーターを務める声優の声を使用した音声素材も存在するため、本番に近い形で練習を積むこともできます。
スピーキング能力
TOEFL iBT®のスピーキングセクションでは、単に話すだけでなく、聞いた情報(リスニング)や読んだ情報(リーディング)を統合し、自分の言葉で論理的にまとめて表現する能力が問われます。具体的には大学の授業での発表やディスカッションなど、実践的な場面での発話能力を想定して評価されます。
また、「Integrated Tasks(統合型タスク)」と呼ばれる形式の問題が出題されます。これは、読み聞きした情報を基に自分の意見を述べるなど、複数のスキルを同時に使うことで、より実践的な英語コミュニケーション能力が評価されます。
ライティング能力
TOEFL iBT®のライティングセクションでは、学術的なテーマに対する意見を論理的に記述する能力が求められます。特に「Academic Discussion Task」といったタスクでは、特定のトピックについて意見を述べ、それを裏付ける根拠を明確に記述する力が試されます。
また、ETS®(TOEFL®テスト 日本事務局)が開発したライティング指導ツール「Criterion®」が利用されており、実践女子大学や東京大学教育学部附属中等教育学校といった全国の教育機関での導入事例も紹介されていることから、ライティングスキルの向上がTOEFL iBT®において極めて重視されていることがうかがえます。
J PREP Scholars(All-English Program)
J PREP Scholars は、英語技能試験の対策やリベラルアーツ教育、留学プログラム・海外高校や海外大学への出願にも焦点を当てたAll-English プログラムです。
英語技能テストを活用した国内大学受験対策にも対応しています。
Overseas University Preparation Courses (SA Courses)
TOEFL®やIELTS™といった英語運用能力試験や、アメリカの大学進学希望者が受験する共通学力試験 SAT®の対策を主に行うコースです。リーディングやライティングの演習も行いながら、あらゆる場面で通用する英語力を磨きます。
Liberal Arts Courses (LA Courses)
英語で英文学、文章表現などを学ぶ教養コース。学習や習熟度に応じて幅広いコースを用意し、英語で英文学や文章表現などを学びながら5技能のスキルアップを目指します。
* TOEFL® and TOEFL iBT® are the registered trademark of Educational Testing Service (ETS®). This publication is not endorsed or approved by ETS®.
* IELTS™ is the registered trademark of University of Cambridge ESOL, the British Council, and IDP Education Australia, which neither sponsor nor endorse this product.
* SAT® is a registered trademark by the College Board, which is not affiliated with, and does not endorse, this production.
J PREPの季節講習
J PREPでは、季節講習を年3回(春・夏・冬)開講しています。
季節講習では、英検®対策講座、英文エッセイに役立つライティング講座、フォニックスの初歩から徹底的に習得する発音ブートキャンプなどの幅広いラインナップの講座を受講することができます。
講座内容の例
- 発音ブートキャンプ【対象:小学5年生〜中学3年生】
- 体験授業・初級~中級集中【対象:小学5年生〜中学3年生】
- 英検®対策講座【対象:小学5年生~各級保持者など】
- Introduction to Academic Writing【対象:中学1年生〜3年生の英検®準2級所持者】
- 英文パラフレーズ徹底習得【高校1年生 ※ J PREP 在籍生限定】
- 国内難関大学対策講座【高校1年生~3年生 ※ J PREP 在籍生限定】
- 数学講座 幾何の徹底演習【中学2年生~高校1年生 ※ J PREP 在籍生限定】
- 数学講座 数学ⅠAⅡBC 頻出テーマ演習【高校3年生 ※ J PREP 在籍生限定】
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