S.M.さん2021年

出身高校東京都市大学付属高等学校

進学先長崎大学医学部医学科

J PREPの多彩な講師陣による指導に感謝
法哲学に関する講師の知識が英検®に役立った

合格した長崎大学医学部は、熱帯医学では世界的にも有名な大学ですね。

はい、そうですね。

すごいです。公衆衛生を学びたくて選んだのでしょうか。

もともと公衆衛生を学ぶために医学部に行こうと決めていました。進学先を絞り込むとき、ある新聞のコラムで長崎大学熱帯医学研究所の先生が新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)について書いていて、感動したのも理由です。

新型コロナウイルスが流行する前から公衆衛生学を志していたのですか。

はい。中学生の頃から漠然と面白そうだと思っていました。

何かきっかけはあったのですか。

小学6年生の時、将来の夢に「医者になりたい」と書きました。中学生になり、自分は医者に向いていないかもしれないと迷った時期もありましたが、自分なりに命を救える仕事や学問はないのかと調べた時に出会ったのが公衆衛生学です。

新型コロナウイルスの流行が、たまたま大学に進学するタイミングと重なったとはいえ、その前から考えていたというのが素晴らしいです。

この状況になってCDC(米国疾病対策予防管理センター)や、ジョンズ・ホプキンス大学などが報道に登場しますが、私としては昔から知っている、行きたかった場所という感覚です。

日本だと長崎大学ですよね。

そうです。その長崎大学なのです。

私がイェールの博士課程の勉強をしていた時、専攻は政治学でしたが、公衆衛生大学院の授業も取っていました。疫病伝播を分析する計量モデルを応用して、選挙や財政の分析をしていた時期もあります。公衆衛生のためのさまざまなデータ分析のテクニックは、実はいろいろな分野に応用が利きますし、楽しそうだなと思っています。

医学は本当に広いですが、またそれとは違った意味で公衆衛生学も広い分野だなと前から思っています。

話は変わりますが、J PREP での勉強について聞かせてください。

J PREP は中3になるタイミングで、ES350からスタートしました。英語のレベルが高いのはもちろんですが、先生の何気ない余談が意外と英語の試験に役立つこともありました。高1の時だと思いますが、ES450で担当だった先生から法哲学に関するさまざまな議論を時折聞いていたんですよね。そうしたら翌年の英検®準1級の読解のテーマがその内容でした。

本を読んでいるといろいろな情報に触れることができますが、ここが一番重要という部分は何気ないひと言に滲み出てきたりしますよね。それは学問を先にやっている人と話をするから分かることです。

先生はどの方にもお世話になりました。最初に習った先生はとにかく発音に厳しかった印象が強いです。

受験準備はどうでしたか。

直前期に、読解が得点源だと思っていました。リスニングは苦手意識がありましたが、人並みに得点できたと思います。

長崎大学の入試での英作文はどうでしたか。

今年は傾向がガラッと変わり、統計をしっかりと読み取ることを意識した問題が組み込まれていました。

理解したことを英語で再表現する形ですね。

そうですね。まず統計に関する情報を英語で一つにまとめ、それについての考察を別のエッセイとして書く問題がありました。

高校生の頃から、将来は学会報告をできるようなトレーニングを積んだ受験生を採って育てたい、そんな姿勢が滲み出ている出題傾向ですね。

そうかもしれないです。

公衆衛生の研究や実践で海外に出ていくことが多いので、特に英語が役に立つと思います。まだ医学部に入って日も浅く、課題も手探り状態かと思いますが、将来こういったことをやりたいという希望はありますか。

人の健康に影響を与える要因はなんだろうということが自分の関心としてあり、高校生としてインフラや水供給の問題から手始めに考えました。そのうち、水だけでなく、色々な要因が関わっていることを知りました。大学に進学し、世界に目を向けると、感染症が人類にとって非常に重大な脅威であることを日々授業を通じて痛感しています。やはり人の健康に影響を与える要因を、できるだけより広く、たくさんの人を救える形で研究したいです。昔から開発というと物的なものばかりに注目されますが、大学で学んでいく中で心の健康も大切だと感じます。

最近の知見として分かってきたことですが、長寿で健康に暮らす上で、愛着や安定的な人間関係が重要だとのことです。

テーマがひとつに絞り切れないのは、ある意味では魅力的だと感じます。

あと公衆衛生は特にそうですが、フィールドに立つ機会が必ず来ます。その時にふと立ち止まって「あ、J PREP で昔学んだことが役に立ったな」と思ってくれたら嬉しいですね。大きな夢を見ながら挑戦し続けて欲しいです。

一生懸命頑張ります。

公衆衛生を志して自分で選んで長崎大学に進学したことを、すごく誇りに思っています。こういう卒業生がもっと増えて欲しいと思っています。