- 慶応義塾大学 環境情報学部
- 出身高校:川崎市立川崎高等学校 | 所属コース:EA690
英語学習はJ PREPの授業及び課題とその復習のみでした。
私はJ PREPに六年間通塾していたので、英語の学習はこれが最も迷いなく行えて、モチベーションも引き出せる学習法でした。
受験を終えてから俯瞰すると、受験勉強は辛い、つまらない、という通説などあてにせず、楽だ、面白いと思える、板に付く勉強法に気付けることが大切だと結論しました。これがかなり難しく、それと言うのも教科によって自分に相応しい勉強法が異なりうるからです。
先ほど、英語に対してはJ PREPの課題と授業に完全に委ねたことを書き記しましたが、理科の場合、私に適切だった学習法は、教科書を何遍も読み返し、考え、事象間の繋がりを理解することでした。この学習法は英語のそれとは3点で全く異なります。
1つ目は、英語学習がJ PREPという塾依存であったのに対し、理科の教科書学習は学校依存と言えます。
どの塾でも、塾生の中には学校の授業の物足りなさや無味乾燥な教科書に嫌気が差して通塾を始めた人は多い筈です。私もその一人であるだけに、英語と理科のそれぞれの学習法に対極性を見出します。
無味乾燥な教科書ですが、それですらも潤うほどに咀嚼し、味わえるほどに反芻することが、高得点よりも理解を重視する私にとっては、理科学習において正しい方法でした。
2つ目は、J PREPの英語の課題は演習という実践が中心であるのに対し、私の理科学習は理論の理解に多くの時間を費やしました。
英語や国語と同様、理科も演習を積みさえすれば成績が上がると思いきや、理解半ばの段階では教科書確認レベルの問題は易しすぎで、受験問題は難しすぎで、どちらからも何も得られなかったのです。
そこで思い切って冬休みまでひたすら理解に努め、模試の成績が悪くともスタイルを変えず、冬休み入ってセンターの過去問を数年分、不正解の問題を余すことなく解説を読み、教科書を読み、考えることを繰り返しました。
結果、夏は全く手が付けられなかった京都大学の理科が高得点に、特に物理に関しては満点近くとれる程になりました。
京都大学は不合格でしたが、分野ごとに実りある学習法が異なると実感しました。
3つ目は、J PREPの英語学習は、疑問があればすぐに講師にわかりやすく答えてもらえる環境での学習であるのに対し、理科の教科書学習は、基本的に一人で、従って時には非常に時間をかけながら理解をするということです。
1つ目の違いでも言及しましたが、私は点数以上に理解に興味のある人間です。英語の表現等については完全に理論的に説明できるものばかりでないことは受容していますが、理科については一切の妥協ができません。誰か詳しい人に科学事象の説明を求めても、その人が、私自身ですら言葉にできない不明点を把握していなければ真に事象の理解を助ける言葉は得られず、また、訊くことによって、理解したとつい自分自身に言い聞かせてしまう体験が過去何度もありました。
誰かに訊いたり教えられたりすることなく、一人で勉強することで、教えてくれるその人の為に理解しなければならないという観念を捨てて、完全に自分のペースで勉強することができます。
これまで繰り返したように、理解を重んずる私は、こと理科に関しては自習に徹することで自身の理解度を客観視し、必要十分な勉強量を設定することができました。
理科のみならず、英国数にも言及すると、私はこれら三教科全てをJ PREPで受講しました。
唯一合格した慶応義塾大学環境情報学部の試験に国語や数学が存在せず、英語もマークであることを踏まえると、J PREPでのこれら三教科の学習が完全に実を結んだわけではありません。しかし、いずれのクラスで学んだことも、受験を終えてからも勉強に役立っていて、また、大学での学習に役立つと期待できます。
英語のクラスでは早く正確に英文を読み取る力、そして誰にも分かるように英訳和訳をする力を養いました。
大学では英語も含め、他言語で多くの文献を読むことや、自身の意見を他言語で表現する機会が増えるでしょう。J PREPで固めた英語の基盤は大学でも通用すると期待しています。
その実、通う前と後を比較して私の成績の伸びが最も高かったのが国語です。
国語を担当する永田先生は大学の事情や授業の様子に明るく、受験で大学が求める能力と入学後の大学が求める能力の違い等、受験生として新鮮にして傾聴すべきお話を何遍も伺うことができました。純粋に国語の授業のみを評価しても、評論文が単純な構成になっていることや、古文と漢文のそれぞれの特徴、小説を出題する意義など、文章理解の能力と文章そのものに対する興味の両方を涵養することができました。
数学のクラスでは、人生で初めて数学が何かを理解し始められました。
過去に通っていた別の塾や学校と比べた時のMA680の最たる特徴は、過不足なく理論立てて解答を作成する方法を学ぶことです。解答の作成と聞くと小賢しい受験テクニックを学ぶ様に聞こえるかもしれませんが、実際は数学ではこれが首尾一貫して重要です。正しい解答を作成することとは事象や命題を成り立たせる十分条件や必要条件を分析することで、これは理解と同義です。
MA680で解答作成の為の理論や表現を学ぶことで数学、時には物理の事象が与えられた時にそれらをどう見ればいいのか、とりあえずどんな切り口があるかが、自ずと見える様になりました。